2016年7月21日木曜日

日記 20160721 審査員



http://www.comicbunch.com/manga/rookie/15/
詳細はこちら。

新潮社3誌合同漫画賞の審査員長を仰せつかりました。
(毎回、いろんな漫画家さんがやっているようですが)
ワクワクドキドキです。

思い出せば15年以上前、自分もいろんな雑誌の漫画賞に応募してたときがありました。何度か受賞したけど、そこに書かれていた寸評、小さな文字一語一句に目を凝らし一喜一憂した思い出があります。
人によっては一生忘れない言葉にもなるんだろうなぁ。
どんな言葉を選んだらよいものか、じっくり考えさせていただきます。
たくさんのご応募お待ちしてます。

あ、あのー。言いたい事がいっぱいあるのでちょっと語ります。

ちなみに俺はですね、努力賞1万円、奨励賞5万円なんていう賞しかとったことないです。けっこう実感としては珍しいほうの人でですね、いろんなプロ漫画家さんと話すと雑誌や出版社は違えど佳作とか入賞とかとってるんですよね。
俺みたいなスタートでも漫画家10年以上やれてますんで、まぁなんていいますか、いい賞をとることも大事ですけど、気張らずに伸び伸び自分のいいところを見せつけるつもりで、ええ、それだけを考えて描いていただけるといいと思います。
だいたい、うまくいってない漫画家志望者さんの原稿には共通点があります。
それは「まとめようとしてヘタになってる」ことです。
デビュー前、新人漫画家として評価される段階には2タイプあってですね「全然まとまってないけど、すっげー個性を持ってて、可能性を感じる」というAタイプと、次の段階「個性をちゃんと使いこなして完成度が高い」というBタイプ。
AもBもなにかしらの賞がいただける可能性はあります。
特にBタイプの人は即デビュークラスですが、Bタイプを目指そうとしすぎて、Aタイプの条件である個性や可能性を、本人がブレーキかけちゃってる感じになっていて、全体的に縮こまっちゃってただただ魅力を失くしている残念な原稿も多いわけです。
心当たりありませんか。
まずはまとめるよりも、個性をスパークさせることが大事です。特に若い人は。
いや、まぁ全然まとまってなかったら落選するでしょうから多少はまとめてほしいですけど(笑)、大事なことの優先順位をきちんと間違えないことですね。
読者が読みたいのは、まとまってるけど平凡な漫画より、まとまってないけど超絶面白い漫画なんです。それをお忘れなく。

はみだすべし。常識を疑うべし。
日本人は特に、幼少期からですね、連帯を身体に染み込ませられてます。
「ピッ!」と先生が笛を吹くと
ピッ!と整列してしまいます。身体が反応するわけです。
そういう教育を受けてしまっています。
人と違う個性で生きる、表現で生きようという人は、こんな自分に疑いをもってください。盲目的に足並みを揃えるというのは、漫画家には不要な協調性です。疑いの意識があればいいんです。日頃当たり前だと思っていること、その本当の意味を探ることです。

漫画を描き始めたばかりの人は自分の可能性にもまだ気づいていないことも多いです。
描いていくことで開けていきます。
自分でも描けるかどうかわからないことというのは、やっぱり試しに描いてみないとわからないわけです。
自分の想像力の範囲の中で描いてしまうと、他の人の想像力を超えられないでしょう。
自分の想像を超える漫画を、まず自分が描いてみることですね。
「いや〜、まさか自分がこんな漫画を描いちゃうなんて思わなかった」
って、自分の原稿をみて言えますか?
言ってください。
そうすると、新しい扉が開いていきます。
いくように思います。
俺も青春モノに、結婚モノ、歴史格闘漫画、スパイ近未来アクション、バンド漫画、登山&ご飯漫画と、扉を開けまくりです。ジャンルだけじゃないです。絵やセリフなどの表現の方法、題材へのアプローチ、毎回自分の想像を超えることがテーマです。毎回「うわ、自分がこんな漫画を描くなんて思いもしなかった」って漫画を描いたほうが、自分が楽しいわけです。自分が最初の読者ですからね。
楽しいですよ。開けまくっていきましょう。
いまバトル漫画を描こうと思ってる人は、現代の恋愛ものを描いてみるとか、
いま大学生のダラダラとした日常を描こうと思ってる人は、熱血スポーツ漫画を描いてみるとか、
まずは試しに描いてみると、いいと思います。
「自分には無理!」と気づくためではなく「こういうアプローチなら意外といけるかも」というスキマや可能性を見出してください。

勢いで目の前の賞をとっただけで息絶えてしまう漫画家志望者も多いです。
目標はその先、好きな漫画を描きながら、漫画家として楽しく長く生きていくことですよね。そのために自分の作家としてのスケールを大きくすることを意識してください。長生きできるように。

俺のブログを読んでる人で、漫画家志望者がどれほどいらっしゃるかわかりませんが、
ツイッターをだいぶ前にやめてしまって、拡散する手段がないので漫画家志望のお友達に広めたい方はぜひ教えてあげてください。
ご応募待ってま〜す。